本日(6月2日)もJICA土壌診断コースにおいて、土壌断面調査を行ないました。昨日は雨のため中止となりましたが、天候が回復したため、調査地点No.4(帯広市幕別町、テンサイ圃場)にて調査を行ないました。先日と同様に2グループ(AとB)に分かれて穴を掘っていきます。研修員は、穴を掘るのにだいぶ慣れたようで、交代しながら着々と進めていきます。
今回掘った土壌断面はこちらです(Bグループ)。
土壌断面は、土壌の色・硬さ・土性・根の分布など、性質が異なるいくつかの層の積み重なりによって成り立っています。この層を「土壌層位」と呼びます。
皆さんはこの断面が何層に分かれるか分かりますか?
研修員は、何層に分かれ、どのような特徴があるのか、見て、触って、器具などを使って調べます。ここでは「百聞一見に如かず」のみならず「百聞一触に如かず」です。
グループBの研修員が出した答えは、「5層」です。触らないと決して分からない層の違いがあります。
0~18cm:「Ap1」
~28cm:「Ap2」
~50cm「2BC1」
~92cm:「2BC2」
~105cm:「3BC」
※目盛りの1は、10cmです。今回は105cmまで掘りました。
研修員には、何故このような層位区分になるのか説明して頂き、グループ同士で議論を交わします。
一般的に主な層位は、地表面から下に向かって「A層」・「B層」・「C層」といった3つの層位から成り立っています。下のC層は、元々そこに存在する土壌の母材です。上のA層は、母材に動植物の影響が加わった結果成り立つ、腐植によって黒く着色された表層です。真ん中のB層は、C層ともA層とも異なった性質をもつ層です。
細かい層位の分け方や層位の命名方法はまた今度にします。
それぞれの層位ごとに、土壌の色・硬さ・土性・根はりなどを調べ、「土壌断面記載表」に記録していきます。
これが記載表です。土壌断面調査は、様々なアイテムを使用いします。土壌の色は色見本が載っている「標準土色帖」を使用し、土壌の硬さは「硬度計」を使用します。一方で、土性は「手ざわり・目視」で、根はりや有機物含量は「目視」でおおよその判定を行います。野外で判定した結果と、実際に試料を採取して土壌分析を行なった結果をすり合わせることも重要となります。
土壌診断コースでは、実験室において土壌の物理性試験や化学性分析を学ぶ予定です。その試料も採取しました。
これは化学性分析のための試料採取風景です。化学性分析はどのような結果が分かるのでしょうか。
今回の土壌診断コースでは、圃場の持ち主である農家さんのご協力のもと成り立っています。
本日は、農家さんが現場に駆けつけてくれました。農業形態や経営規模などを直接お話し頂きました。
ご協力頂きました皆様には心より感謝申し上げます。