一般社団法人 The Earth Cafe 設立趣意書
「農」とは道具を使って自然を拓き、土を耕すことを意味する。農業とは「農」によって作られた共同体に安定的かつ効率的に食糧を供給することを目的にシステム化された産業であり、いのちを育む生業といえる。人のいのちと暮らしを守り維持していくために、農業は持続可能でなければならない。
農業は、食糧生産に直接的に関わる農業者(生産者)だけではなく、技術の開発や普及に係る専門家や技術者、流通や加工に係る業者や関係団体、そして食糧を求める消費者までも含めた誰もが当事者である。全ての当事者が同じ場に立ち、農と自然が調和する本質的な価値を見出し、新しい価値を創造する変革を誘発するために、人、食糧、情報、そして価値が融合したネットワークを形成するフラットなプラットフォーム(共有の場)を提供し、「畑と食卓をもっと近くに」するのが私たちのミッションである。
私たちの活動は公益社団法人秋山記念生命科学振興財団のネットワーク形成事業による支援よって平成20年7月1日に設立した「十勝農業イノベーション・フォーラム」が起点となっている。同フォーラムでは、これまで農業の現場で様々な立場の当事者が時間を共有する場と新しい価値を見つける契機を提供する「アース・カフェ」の開催、農業の根幹である土壌を守り地力を再生することの重要性を発信し理解を深めるための「土づくり農業経営サロン」の開催、農や食にかかわる様々な当事者が自由に意見を交わし価値観を融合する「人的ネットワーク形成事業」の開催や、発展途上国の農業を間近に見る「アースカフェ・ツアー」などを通じて、「農」の新たな価値創造へのインスピレーションを得てきた。
それらの活動の中で、「農」とは「いのち」をつなぐ人の暮らしの原点であり、新しい時代の豊かさの本質を見直し、農業への人々の関わりを通じて自然と人との関係を変える提案をしていくことが私たちにできる社会貢献であると考えた。
私たちは「十勝農業イノベーション・フォーラム」での活動を継承し、さらに新たな賛同者を集い、公益的な社会貢献事業を積極的かつグローバルに活動できる組織基盤として一般社団法人 The Earth Cafe を設立する。
平成25年6月1日起草
一般社団法人 The Earth Cafe 発起人一同
(発起人: 秋山 孝二、 鈴木 善人、 谷 昌幸 )